黄体機能不全の原因と治療方法は?不妊の原因になる?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

妊活中は、自分の生理周期や排卵日を予測するため、基礎体温を記録するのが一般的です。妊娠しやすい時期にタイミングをとっていてもなかなか妊娠しない、基礎体温表が低温期と高温期の二層に分かれていないなどの場合には「黄体機能不全」の可能性があります。ここでは原因や症状、改善方法についてまとめてみました。

黄体機能不全とは?

黄体機能不全とは、何らかの原因で黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が少なく黄体が機能していない状態をいいいます。

黄体がうまく機能していないと排卵されなかったり、排卵したとしても子宮内膜の厚さが十分でないため受精卵が着床できません。したがって黄体機能不全は不妊の原因になる可能性があります。

黄体機能不全の原因は?

黄体機能不全になってしまう原因は、ホルモンの分泌不足や子宮内膜の感受性が悪いこと、また卵巣機能の低下などが考えられます。主な3つの原因を詳しく見ていきましょう。

1.脳下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌不足

女性のからだは排卵が終わると、エストロゲンの血中濃度が低下し脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)を出すよう視床下部から命令がでます。次にFSHが卵胞を成熟・発育させエストロゲンを分泌します。そして視床下部が今度は下垂体から黄体化ホルモン(LH)を出させ、排卵が起こります。

この一連の流れにおいてホルモン分泌が十分でないために無排卵であったり、低温期が長くなかなか卵が育たないといった症状が現れてきます。

2.子宮内膜の感受性が悪く、ホルモン値は正常だが黄体ホルモン分泌不足の状態 

一般的に8ミリ以下の子宮内膜は薄いと診断され、妊娠を望む場合10mm以上の厚さが理想的です。

黄体ホルモンの数値は正常なのに子宮内膜が厚くならない場合などは、子宮内膜のホルモン受容体の感受性がわるいことが考えられます。

3.卵巣の機能低下により黄体ホルモンの分泌異常

卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)は脳下垂体から分泌されるのに対し、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)は卵巣から分泌されます。

卵巣の病気や糖尿病等の疾患によって卵巣機能不全になることで、妊娠を継続するのに不可欠な黄体ホルモンの分泌に異常をきたしている場合があります。

黄体機能不全の症状は?

黄体機能不全の症状

  • 排卵障害
  • 高温期と低温期の差が無い(0.3℃未満)
  • 高温期がまったく無いか、あっても数日
  • 黄体期の黄体ホルモン(プロゲステロン)値が10mg/ml未満
  • 低体温
  • 子宮内膜が厚くならない(8mm以下)
  • 黄体期に「乳房が張る」「体が火照る」などの自覚症状が起こりにくい
  • 月経以外の異常出血がある
  • 排卵日、月経周期の予測ができない(周期が伸びたり縮んだり)

黄体機能不全の症状として、卵胞がしっかりと成熟できずに排卵が困難である場合があります。そもそも黄体ホルモンとは、排卵がされたあとの卵胞が黄体という組織に変化し黄体ホルモンを分泌し、子宮内膜を厚くしたり体温を上げる作用があります。排卵がなされなければ黄体ホルモンの分泌量は少ない状態となります。

妊娠を希望するなら病院へ行ったほうがいい?

黄体機能不全の症状があっても、日常生活に支障をきたすような問題がなければ、しばらく様子を見て治療を行わないこともあります。

しかし、妊娠を希望している女性に、上述したような黄体機能不全の症状が2,3ヶ月以上みられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

黄体機能不全の治療

黄体機能不全の治療

黄体機能不全は、不妊の原因となる場合があるので治療をすることが望ましいです。排卵誘発剤や、黄体ホルモン製剤を内服する治療が一般的です。

排卵誘発剤により排卵を促す

排卵誘発剤は卵巣に働きかけ、卵胞を成熟させ良質な卵をつくる作用と、排卵を助ける作用があります。

生理不順の方や、無月経の方など様々な方に処方される薬です。

服用方法としては月経開始後、5日目より内服し、5日間飲み続けます。(様々な薬の種類によって用法は変わってきますので、医師の指示にしたがってください。)

クロミッドやセキソビット、フェミロンといった排卵誘発剤やhcg注射が一般的です。

排卵後、黄体ホルモンを補充する

排卵されたあとの黄体期に、黄体ホルモン剤を内服します。

黄体ホルモン剤を内服することで、不十分だった黄体ホルモン値を正常に保ちます。黄体ホルモンは体温を上昇させたり、子宮内膜のベッドをふかふかにしてくれる役目があります。子宮内膜が厚くなることで着床しやすくなります。

主な黄体ホルモン剤にデュファストンやルトラールがあります。

黄体機能不全と自律神経

黄体機能不全と自律神経

からだの中にある様々なホルモンが分泌されるのは、脳の下垂体という部分です。そしてその下垂体に「ホルモンを分泌せよ」と命令しているのが脳の視床下部です。視床下部はまた、呼吸や体温を調節したり、内臓を働かせたりする、からだの中で非常に重要な自律神経の中枢でもあります。

精神的なストレスや生活習慣の乱れが続くと、自律神経はバランスを崩してしまいます。つまり、自律神経のバランスが乱れると、密接に関係のある視床下部にも何らかの影響がおよんでしまい、黄体ホルモンをはじめとした、ホルモンの分泌にも様々な影響がでてしまうと言えるでしょう。

したがって、自律神経の働きを正常に保つには、十分な栄養を摂って規則正しい生活をおくることが重要。睡眠不足や暴飲暴食、ダイエット、ストレスなどは自律神経の働きを低下させます。また、自律神経の働きが低下すると体温調節がうまくできず、冷えを引き起こしてしまいます。血管が収縮することで起こる冷えは、さまざまなホルモンを運ぶ血液の流れも悪くなってしまうのです。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*