顎にできるニキビ、吹き出物で悩んでいる方は少なくありません。管理人自身も10代後半の頃、顎ニキビに悩まされていました。顎はもちろん顔のUゾーン全体と首にかけて、髪の毛の生え際までも!触ると熱を帯びていて痛みもある。しこりのようなニキビが大量発生していました。ここでは、思春期ニキビとは原因も治療方法も違う、大人ニキビについて詳しく解説していきます。
あごニキビ、大人ニキビとは?
大人ニキビは、皮脂の分泌が盛んなTゾーン(鼻から額にかけての部分)や頬ではなく、比較的皮脂が少ないフェイスラインや口周り、あご、首にできるニキビ(吹き出物)を言います。ここでポイントとなるのが、大人ニキビの原因はいわゆる「過剰な皮脂」ではないということ。毛穴の汚れやアクネ菌がもとでにきびができているのではないので、いくら肌を清潔に洗浄したところで全く治りません。
あごニキビ、大人ニキビの原因は?
色々なサイトでフェイスラインにできる大人にきびの原因を目にしますが、よくあるのが、
- フェイスラインの保湿不足による乾燥
- フェイスラインに髪の毛がかかって雑菌がついている
- 頬杖をついたり、手で触りすぎている
- 寝具のよごれ
- 洗顔料やシャンプーのすすぎ残し ・・・などなど。
人によって体質や習慣なども違いますので一概には言えませんが、上述したようなことが原因で大人ニキビができることはあまりありません。少くとも私自身はあてはまりませんでした。
むしろニキビがあることで、人よりも洗顔や基礎化粧品、枕などは清潔にするなどと気を使っている人がほとんどだと思います。できる限りのことはしているけれど良くならない。
そんな中、友人からの「ちゃんと顔洗ってる?」という心無い言葉は今でも忘れられません。
では本当の原因は何なのでしょうか。
ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンのバランスが何らかの原因で乱れてしまうことが、大人ニキビの原因のひとつです。女性ホルモンとはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)からなり、女性らしい身体つき、きめ細かい肌を作ったり、子宮内膜を厚くしたりする作用があり女性にとって非常に重要なホルモンです。
その女性ホルモンの分泌が十分でなかったり、バランスが崩れてしまうと、様々なからだの不調が現れてきます。女性ホルモンと生理は直結していますので、月経不順や無月経、さらには大人ニキビができてしまいます。
生理とニキビ?と不思議に思うかもしれませんが、実は女性ホルモンと深い関係があるのです。女性ホルモンの分泌が正常に整ったり無月経が改善することで、肌の調子が良くなる可能性が大いにあります。
無月経とは、それまであった生理が三ヶ月以上こない場合をいいます。
冷えによる血行不良(お血)
手足の末端まで血液が行き届かずに起こる冷え症。女性に冷え症の方が多いのは、もともと男性より筋肉が少ないので、熱を生み出すエネルギーも少ないためです。
冬でもファッション命で寒さをこらえながら薄着をしたり、一人暮らしの女性に多いのが、電気代節約のため、家では暖房器具を使わないなど冷えをエスカレートさせる生活。
長時間同じ姿勢でいることが多いデスクワークや、普段から運動する習慣のない方、さらには喫煙やストレスも血管を縮小させ、血流が滞る原因になります。
東洋医学では、粘度が高く、滞りがちな血液を「お血」と呼んでいます。漢字で「瘀血」と書きます。瘀は停滞という意味で、血の流れが悪く、よどんだ状態を指すそうです。
食べ物から摂った栄養を、全身に送るのは血液です。その血液があちこちで滞っているため、皮膚まで栄養が行き渡らずに、特にフェイスラインは血行が悪いので大人ニキビとして症状がでてきます。お血タイプの方は顔色が赤黒く、痛みやしこりのあるにきびができるのも症状の特徴です。
大人ニキビの症状
大人ニキビの症状は、思春期にできるニキビとは全く異なりますので、以下のような症状があれば、大人ニキビにあった治療をすることが必要です。
大人ニキビ | 思春期ニキビ | |
ニキビの種類 | 赤ニキビ、黄ニキビ | 白ニキビ、黒ニキビ、赤にきび |
できる部位 | あご、フェイスライン、首 | Tゾーン、頬、おでこ、口周り |
年代 | 10代後半~20代以降 | 10代前半~10代後半 |
原因 | ホルモン分泌不足、ホルモンバランスの乱れ、お血 | 皮脂の過剰な分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌 |
特徴 | しこりのような盛り上がったにきびや膿をもったニキビが特徴。触ると痛みのある場合も。痕が残りやすい。 | 思春期のホルモンバランスによる皮脂の過剰分泌が原因なので、二次成長期を過ぎると比較的自然に治る。 |
私が大人ニキビを自力で治すために試したこと
今はインターネットの普及のおかげで、検索したらニキビ治療の方法がたくさん出てきます。私の体験が誰かの役に立てばいいなと思ってできる限り正確に書きます。
私は、高校生の頃かなり重度の大人ニキビ患者でした。口周り、あご、フェイスライン、首、そしてなぜかおでこにまでそれはもう痛々しいほどの赤、黄ニキビが広がっており、朝起きたら新しいニキビが1つ、また1つと増えている状態。当時学生だったのですが朝は本当に憂鬱でした。
日中はニキビの上からコンシーラーを塗って隠していました。しかし、大人ニキビって本当に厄介なことに化膿して膿がたまっていたり、赤く腫れていたりで幹部がでこぼこなんです。さらに潰れちゃって汁や血が出てたり皮がむけてたりでうまく隠せるわけもなく、ひどいありさまでした。家に帰ればすぐにメイクを落としてました。どんなに肌を清潔に保ち、保湿を頑張ってみてもなぜかにきびは治りませんでした。
以下は、当時自分の知り得るかぎりの情報で、ニキビを治すために実践してみたことです。
1.洗顔料、化粧水をシンプルな自然派のものに変えてみる⇒変化なし
それまで、アクネ菌を殺菌予防する効果のある洗顔を使っていたのを、ヴァー○ルという洗顔石鹸と化粧水に替えてみました。
ヴァー○ルは当時、岡本夏希さんがニキビ肌が良くなったとテレビ番組やCMでバンバン放送されていて、これだ!と思い試しましたが変化はみられませんでした。
今もあるのかな?と思って調べたところありました。私のニキビには効果がみられませんでしたが、人によって肌にあうあわないはあると思いますし、岡本さんのように綺麗になる方もいます。効果には個人差があると思います。
2.ビタミンB群のサプリメントを飲む⇒変化なし
ドラッグストアで売っていて、手軽に買えるビタミンB群の王道、チョ○ラ○○。
特に、ビタミンB2は皮脂の分泌をコントロールする働きがあるので、思春期のニキビには効果的かと思います。
大人ニキビには効きませんでした。
3.便秘薬を飲んで腸をすっきりさせる⇒変化なし
腸の中に宿便が溜まっていると、血液を介して老廃物が肌に出てくる?というようなことを見聞きし、○ーラックを週に1回の頻度で服用していました。(便秘体質ではなかったのに)
しかし、冷や汗が出るほどの急激な腹痛に耐えられず、2週間ほど服用してやめました。
大人ニキビには、これといった変化はありませんでした。
4.睡眠時間の確保⇒変化なし
見たいテレビドラマや番組を我慢して、すべては大人ニキビを治すために夜9時に就寝、朝6時起床を徹底しました。およそ半年から1年間は続けていたと思います。
テスト勉強などは、さらに早起きをしていて、とにかく早く布団に入ることが大事だと思っていました。心から大人ニキビを治したい一心でしたが、あまり変化はみられませんでした。
5.脂っこい食事を一切食べない⇒ニキビ悪化
揚げ物や脂の乗ったステーキ肉などは一切食べない。炒め物を作るときの油は小さじに半分。など極力油は使わず基本的に蒸す・茹でる・煮るなどの調理法をとっていました。
今考えると恐ろしい食生活です。油分は皮膚に適度な潤いを与えてくれます。
また、植物性や動物性油脂に含まれるビタミンEは血行を促す作用があります。
体を作る三大栄養素の1つである脂肪(油)を全く摂らないというのは、体調にさまざまな影響が出てくる可能性があるので、病気の治療や医師の指導を受けている方以外は注意が必要です。
油や肉を食べる⇒皮脂分泌過剰⇒大人ニキビ
というどこから聞いたのか間違った情報を信じた結果、血行不良(お血)を引き起こし、ホルモンバランスの乱れから無月経になり(半年間生理がありませんでした)大人ニキビはどんどん悪化していきました。
この結果からお伝えしたいこと
「私が大人ニキビを治すために自力で試したこと」の5つはどれもあまり効果がみられませんでしたので、重度の大人ニキビに悩んでいる方にはあまりオススメしません。
ただ、早寝早起きし睡眠を十分にとることは、自律神経が整います。自律神経はホルモン分泌に少なからず影響がありますので、決まった時間に睡眠、起床することを心がけることはとてもいいことだと思います。
最後に―大人ニキビの効果的な治療法は?
大人ニキビの原因はホルモンの分泌不足や、血行障害(お血)が関係していると前述しました。
女性ホルモンの分泌に異常があるかどうかは、女性なら生理に影響がでてきます。月経不順や無月経になっていませんか?
婦人科を受診しホルモン検査を受けましょう
まず、大人ニキビの症状があり、月経不順や無月経の自覚症状がある方は、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌を正常に整えることが重要です。
婦人科を受診し、ホルモン検査(採血しホルモンの数値を測る)を行います。
月経不順で婦人科を受診しても、日常生活に実害がなければ、治療をしてくれない場合があるかもしれませんので、体の不調やニキビが出来ると伝えてくださいね。
私の場合は高校生でしたので、母親に
「半年間無月経でニキビも重症、将来いつかは子どもを持てるように生理がきちんと来るようにしたい」
とお医者さんに伝えてもらったような記憶があります。
ホルモン検査や、場合によっては卵巣や卵管に異常がないか等の、精密な検査を受け治療を開始します。
女性ホルモン剤の服用
治療は、以下の女性ホルモン剤を服用しながら基礎体温をつけていきます。
- 低用量ピル
- 黄体ホルモン剤
- 卵胞ホルモン剤
医師の処方に従い、ホルモン剤(錠剤であることが多い)を服用して数日~1週間、これまで半年間無かった生理がきました。
人工的に薬で生理をおこしたのですが、生理がきたと同時に私の大人ニキビは少し状態が良くなりました。
血液が体外へ排出されることで、お血が少し改善され、血液の循環が良くなったのだと思います。
顔の赤黒さもひき、大人ニキビの独特の熱を持ったしこりや膿、赤みも目に見えてましになりました。
ホルモン剤服用を継続しながら、徐々に自力で生理が来るように減らしていきました。
無理なダイエットは厳禁!栄養を十分に摂る
私が大人ニキビになったきっかけはダイエットでした。
極端な食事制限(肉や油は食べない)や偏食が、ホルモンバランスまで崩してしまうとは考えもつきませんでした。
ホルモンバランスを正常に保ち、大人ニキビを改善するには、栄養をしっかり摂ることと体を冷やさないことが大切です。
- 偏った食事や無理なダイエットは控える
- 決まった時間に早寝・早起きし、睡眠を十分にとる
- ストレスをためない(解消する)
- 軽い運動やウォーキングで血行を促進する
- 喫煙している方は禁煙する
- 冷たい飲み物やコーヒーを摂りすぎない
以上のようなことは、特に気をつけてみてください。