冷え性改善にアミノ酸がいい理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
冷え性

アミノ酸の効用や薬理作用は、昔から医療の分野で知られていました。

手術前後の患者さんが、アミノ酸を摂取すると体力や筋力の低下を防げます。また、アミノ酸は肝臓の解毒する作用があるので、肝機能が改善されたり、特にアルコールを分解する酵素を助けるはたらきから、二日酔いの薬としても知られています。

体にさまざまな効果をもたらしてくれるアミノ酸。今回は、冷え性に良い理由についてまとめています。

アミノ酸とは

アミノ酸とは、たんぱく質を構成する基本単位を言います。たんぱく質を作っているアミノ酸は、全部で20種類あります。

アミノ酸の分類

20種類のアミノ酸は、大きく分けてさらに2種類に分けられます。

人の体のなかで合成できず、必ず食べ物で取り入れなければならない9種類のアミノ酸を、必須アミノ酸といい、必要量を体内でつくることができるアミノ酸を、非必須アミノ酸といいます。

体内で合成できない必須アミノ酸は、毎日の食事で補わなくてはなりません。

バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、ヒスチジン

必須アミノ酸 出典:イラスト基礎栄養学

また、必須アミノ酸は、動物性食品に多く含まれています。必須アミノ酸をバランスよく含む食べ物として、鶏卵や牛乳などがあります。

必須アミノ酸のバランスがいい食品は、たんぱく質としての栄養価も高いのですが、そのたんぱく質の栄養価を数値で表したものをアミノ酸スコアと言います。

アミノ酸スコアの高い食品について、こちらの記事に書きました。

アミノ酸のはたらき

食事によって摂ったたんぱく質は、胃で消化されペプトンという物質になります。さらに小腸で消化酵素によって消化され、膜消化を経て最終的にアミノ酸になります。そして、アミノ酸は肝臓へと運ばれていきます。

ここでは、20種類のアミノ酸のうち、主なアミノ酸の生理作用を紹介します。

バリン、ロイシン、イソロイシン※ 筋肉の生成、タンパク質の生成・分解、肝機能向上
メチオニン 肝機能向上
リジン 肝機能向上、Ca吸収をよくする
フェニルアラニン ドーパミンやノルアドレナリンを作る
トリプトファン セロトニンやメラトニンを作る
スレオニン 脂肪肝抑制作用
ヒスチジン ヘモグロビンの産生に関与し貧血を改善する
スレオニン 脂肪肝抑制作用
グルタミン 免疫機能向上、消化管粘膜生成促進
アルギニン 肝機能強化、血管拡張作用、成長ホルモン分泌促進

※バリン、ロイシン、イソロイシンのBCAAは3種類を同時に摂ることで、より安定した作用が見込まれます。

血行不良による冷えをアルギニンが改善

アミノ酸のひとつであるアルギニンは、体内で一酸化窒素をつくります。その一酸化窒素の働きのひとつに、血管を拡張させる作用があるのです。

血管が拡張することで血行が促され、からだの隅々まで血液を運ぶことができます。よって手足の末端の血流が滞ることでおこる冷えを改善します。

さらには、血流がよくなることで血液や筋肉中にたまっていた、なんとなくだるい、といった疲労を回復する効果も期待できます。

また、血流を促す条件の一つに、血管が丈夫で柔軟であることがあげられます。アミノ酸は血管をつくる成分でもあるので、アルギニンだけでなく、さまざまなアミノ酸を効果的に摂取しましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*