卵巣から成熟した卵子が排卵され、精子と出会い受精します。受精した受精卵はゆっくりと細胞分裂を繰り返しながら卵管を下り、子宮にたどりつき子宮内膜に着床する。この着床をもって初めて妊娠が成立となるのです。しかしながら、すべての受精卵が着床に成功するわけではなく、染色体に異常がある受精卵など一定の割合は淘汰されます。また、着床しても何らかの理由で妊娠が継続できなかったり、子宮以外の場所で着床してしまう(子宮外妊娠)異常妊娠など、早期の治療が必要な症状もあります。
あなたのからだをつくっているのは毎日の食事です。いまのあなたの細胞や血液はおよそ半年前に食べたものでできています。
基礎体温をつけて排卵日を予測し性行為をしているけれどなかなか妊娠しない、という方。
日々の食事内容を見直し妊娠しやすいからだをつくる参考にしてみてください。
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1.鉄分
鉄分は子宮内膜の材料になるものでもあるので、鉄分不足となると子宮内膜が薄くなってしまう可能性があります。そうなると授精卵がしっかりと子宮内膜の壁に着床できません。
また、血液中の赤血球とヘモグロビンが不足して起こるのが貧血。赤血球とヘモグロビンは酸素をからだの隅々まで運ぶ役目があり、不足するとめまいや息切れを感じることも。妊娠中の女性が貧血だと胎児に十分な栄養や酸素を送れなくなります。
さらには、貧血がもとで血行不良が起こり冷え性をひき起こしてしまうという悪循環。
妊活中は鉄分を多く含む食材を摂ってからだを冷やさないようにすることも大事です。
鉄分を多く含む食べ物
ヘム鉄(吸収率15~30%) | 非ヘム鉄(吸収率3~6%) |
豚レバー、鶏レバー、牛肉、魚類 | ひじき、青のり、あさりの佃煮、
チーズ、卵黄、大豆、穀類、パセリ |
ほうれん草や小松菜などにも比較的鉄分は多く含まれてはいますが、非ヘム鉄と言って体内への吸収率は3~6%と低い。さらに野菜の多くの栄養は茹でたり煮たりする過程で、ほとんどが水に溶け出していきます。鉄分の多い野菜を食べる際は、できれば味噌汁のような煮汁もすべて飲み干せる献立にすると良いですね。また、吸収を助けるはたらきのあるビタミンCやたんぱく質と一緒に摂るようにしましょう。
吸収率のよい鉄分を摂りたいなら、肉類がおすすめです。
2.葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、上述した鉄分とも深い関係があり、赤血球が正常に作られるために必要な栄養素です。
また、妊娠中の女性、特に細胞増殖が盛んな妊娠初期の胎児の発育に欠かせない栄養素です。
厚生労働省は、妊娠中の女性は胎児の神経管閉鎖障害のリスクの低減のために1日あたり400μgの葉酸摂取を推奨しています。
葉酸を多く含む食べ物
通常の食事を摂っていれば、葉酸が不足することはありません。注意してほしいのが、病気などで長期にわたる下痢や、特定の薬の服用によって葉酸が欠乏する場合があります。葉酸が欠乏すると、骨髄から作られる巨赤芽球がうまく分裂、増殖できず途中で死滅してしまいます。これを巨赤芽球性貧血(悪性貧血)と言います。また、分裂増殖したとしても赤血球としてのはたらきは未熟なままで、胎児に十分な酸素と栄養を運ぶことができません。その上、十分な酸素運搬ができないことで母体も疲れやすかったり、なんとなくだるい、といった症状があらわれます。
調理の過程で栄養の95%は水に溶け出してしまう葉酸。摂取しずらいことが懸念されますので、妊活中の方はサプリメントで効率よく摂っていきましょう。
3.ビタミンB12
こちらも貧血と大いに関係のある水溶性のビタミンで、葉酸とともに赤血球をつくるのに欠かせない栄養素です。ベジタリアンの方や動物性食品をあまり口にしない方は欠乏する恐れがあります。また、吸収には胃から分泌される粘液が必要となるため、胃を全摘出した人も欠乏症になりやすい。
ビタミンB12の欠乏症は悪性貧血、さらに進行すると手足の麻痺や神経系統の機能障害が起こります。
ビタミンB12を多く含む食べ物
4.亜鉛
亜鉛は細胞分裂に関わるDNAを複製する際に使われる酵素をつくるので、胎児の細胞増殖が盛んな妊娠初期に欠かせない栄養素です。妊活中の女性は意識して摂取することをおすすめします。
また、卵胞から分泌される二つの女性ホルモン、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は卵子を成熟させ排卵させたり、子宮内膜を厚くしたりと、からだの中で妊娠しやすい環境づくりをしています。ストレスや生活習慣の乱れから女性ホルモンのバランスは簡単に崩れてしまいます。その女性ホルモンのバランスを整えてくれる栄養素のひとつが亜鉛です。
亜鉛は精子生成にも関わっており、精子の運動量をアップさせてくれる働きもあります。女性だけでなく、男性も積極的に亜鉛を摂りましょう。
亜鉛を多く含む食べ物
お酒の飲みすぎやインスタント食品の食べ過ぎで、亜鉛が多量に体外へ排出されるので注意が必要です。
また、亜鉛の過剰摂取は銅の吸収を阻害し貧血をひきおこすことがあります。
5.アミノ酸
妊娠しやすいからだ作りに欠かせないのがからだを冷やさないこと。つまり温めることでもあります。
アミノ酸のひとつであるアルギニンは、体内で一酸化窒素をつくります。その一酸化窒素の働きのひとつに血管を拡張させる作用があるのです。
血管が拡張することで血行が促され、からだの隅々まで血液を運ぶことができます。よって手足の末端の血流が滞ることでおこる冷えを改善します。
女性ホルモンをはじめ、からだのさまざまなホルモンは血液に乗って全身に送られます。全身の血行が促されることはすなわち子宮や卵巣の血流もよくなり、卵胞の発育がよくなるなど、生殖機能が向上することが期待できます。
こちらの記事にさらに詳しく書いています。 2017年【保存版】妊活に良い食べ物
余談ですが・・・
我が家は現在2歳の息子がいます。私自身もともと貧血で、小中学校の朝礼では毎週のように倒れるタイプの人間でした。保健の先生から親に手紙を渡されることもありました。大人になってからは自分は貧血だと感じることは少なくなり、妊娠した当時やはりよく食べていたのは肉。野菜は少なかったかも。葉酸サプリメントは妊娠前から飲んでいました。夫も肉魚大好きなので酸性食品中心の食事が多かったように思います。
鉄分を摂らなきゃと毎日レバーばかりは食べていられないですので、サプリメントで摂取するのがおすすめです。
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