妊活中に砂糖は禁止?その理由と摂ってもいい砂糖の種類について

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妊活中の女性がお菓子や白砂糖、白米を食べるのは良くないと聞いたことはありませんか。精製された白砂糖は過度に食べ過ぎると、排卵しにくくなるなどの影響があると言われていますが、今回は栄養士の立場から、砂糖を禁止する理由と食べても良い砂糖の種類について書いています。まだ読まれていない方は、よければ一読していってください。

砂糖が良くないといわれているワケ

まずは、妊活中、妊娠中に白砂糖が良くないといわれている理由についてですが、以下のようなことがあげられます。

  • 白砂糖は精製されており製造の過程で添加物を含んでいる
  • 白砂糖は体を冷やす

白砂糖とは、上白糖などのいわゆる白い砂糖を指します。砂糖はサトウキビやてん菜から作られており、サトウキビの糖液を加熱しただけのもの(黒砂糖)は黒に近い茶色をしています。その加熱した糖液を精製することで無色透明の上白糖やグラニュー糖ができあがるのです。私たちがよく目にする上白糖、砂糖の粒(結晶)ひとつひとつは無色透明なのですが、粒が集まることで光の反射で白く見えているのです。

添加物の有無について

つぎに、砂糖はいったいどのようにしてできるのかを見ていきます。

1.サトウキビから搾り取った糖液をろ過し結晶化します(粗糖が出来上がる)。

2.粗糖を加熱・洗浄し、蜜と結晶に分けます。

3.結晶をもう一度溶かして再結晶化させ、乾燥・冷却させます。

4.上白糖の完成です。

このように、いくつもの工程を経て白砂糖はできあがります。その様々な工程の中で添加物を使っています。

その主な添加物としては、炭酸カルシウム活性炭骨炭樹脂等があげられます。

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添加物 主な用途
炭酸カルシウム 砂糖の製造においては、不純物を沈殿させて除去する役目。
活性炭 食品の加工の際に使われる加工材の一種。

液体をろ過する際などに使われている。

骨炭 牛の骨を炭化し、粉砕して得られたもの。

主成分はリン酸カルシウム及び炭末。製造用材。

樹脂 主に糖液に含まれるアミノ酸やミネラル分を除去する。

デンプン質から作られる異性化糖も樹脂を使って精製されている。

参考:東京福祉保健局

農林水産省 砂糖のすべて

厚生労働省 既存添加物名簿収載品目

添加物の人体への(悪)影響については、さまざまな考えがあり、なかには疾患の原因になると言われているものもあります。

医師ではないので、この成分が良くないと一概には言えませんが、大多数の人は、添加物を長期にわたって摂り続けることは避けたい、という考えの方が多いでしょう。特に妊活中、妊娠中は体に不必要なものは入れないのが原則です。

白砂糖と冷えの関係

白砂糖は体を冷やす」とよくいいます。温かい地域で摂れるナスやトマトなどの夏野菜が体を冷やす作用があるように、砂糖の原料であるサトウキビも温かい地域(主に鹿児島県南西諸島や沖縄県)で栽培されています。そのため、砂糖の大量摂取は体を冷やすことに繋がります。

妊活中は、子宮や卵巣のあるお腹まわりを冷やすことや、体全体の冷えも不妊や早産・流産の原因になり得ます。現代医療が進歩した今でも、秋ナスは嫁に食わすな、といわれているのをご存じありませんか。昔から言いつたえのように言われ続けているほど、女性の冷やす行為は昔も今もNGとされているのです。

砂糖もしかり、ほどほどにしておいたほうがいいでしょう。

白砂糖の栄養

また、本来サトウキビに含まれていたミネラルは、白砂糖を作る過程、つまり精製することでそのミネラル分のほとんどを失ってしまいます。白砂糖はカロリーが高いだけで栄養はほぼありません。白砂糖を大量にとることで人体に次のような影響があります。

  • 血糖値の急激な上昇
  • カルシウムが不足しやすくなる
  • ビタミンB1の不足

人の体は弱アルカリ性であるのに対し、砂糖は酸性食品です。

砂糖をとると、酸性に傾いた体を中和するために、体内のカルシウムが使われます。普段から砂糖の使われた食品を食べる機会が多い方は、カルシウムが不足しやすくなっているといえるでしょう。

また、白砂糖を含む糖類はからだの中でエネルギーを生みだします。糖類(糖質)からエネルギーを産生するにはビタミンB1が必要不可欠で、糖類の摂取量が多い人ほどビタミンB1の消費量が増すと言われています。

ビタミンB1が不足すると、糖質が上手くエネルギーに変えられず、倦怠感や疲労感、食欲不信などの症状がみられるようなります。さらに不足が続くと脚気(かっけ)になります。

砂糖を摂るメリットは?

妊活中に白砂糖がよくないとはいえ、砂糖をまったく摂らないというのは考えものです。

砂糖を含む甘味料は、エネルギー源として使われるのはもちろん、糖質(糖類)は体にとって必要です。また、砂糖を含む甘味は脳に安定をもたらす働きがあるともいわれています。ストレスや不安定な精神状態はホルモンバランスにも影響してきますので、妊活中は、ゆったりとした気持ちで過ごしたいのもです。

砂糖の使い分け

砂糖の種類を正しく知って、体にやさしい甘味料を摂ってみるのもひとつです。次のような甘味料を参考にしてみてください。

黒砂糖

さとうきびからとった糖液を加熱し固めただけのもの。黒糖ともよばれています。独特の風味とコクがあり、無機質(カルシウム、カリウム、鉄、マグネシウムなど)とわずかなビタミン、抗酸化ポリフェノールを含みます。白砂糖よりも血糖値の上昇はゆるやかで、コレステロールの上昇を抑える作用もあるといわれています。

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玄米のでんぷんを酸で加水分解し、煮詰めたもの。ビタミン、ミネラルを含みます。穀物本来のやさしい甘味が特徴で、砂糖を一切使わないマクロビオティックにも用いられます。消化吸収がゆっくりと行われるため、血糖値の上昇・下降がゆるやかです。佃煮やジャムなどにも向いています。

ハチミツ

ミツバチが花の蜜を集めて巣に持ち帰った天然の甘味料。蜜源はレンゲ、クローバー、ソバ、ニセアカシアなど。シロップやお菓子作りに使われます。

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マヌカの花からとれるハチミツです。通常のハチミツよりも抗菌・殺菌作用に優れ、風邪の引きはじはじめなどに直接摂取することで喉の炎症を和らげたり、免疫力をアップさせる作用があります。やや特徴的な香りと味がするため、好き嫌いが分かれることがあります。

メープルシロップ

カナダやアメリカでとれるサトウカエデの樹液を煮詰めたもの。シロップやお菓子作りに使用されます。

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比較的冷涼な地域で栽培される甜菜(てん菜/別名:ビート、さとうだいこん)を原料とする砂糖。日本では主に北海道で栽培されています。寒い地域でとれる原料を使用しているため、体を温める作用があります。精製されておらず、体への消化吸収がゆるやかです。

異性化糖について

最後になりましたが、ブドウ糖の一部をブドウ糖異性化酵素によって果糖に変えた「異性化糖」という甘味料があります。低温下で甘味が強く感じるため、清涼飲料水や缶詰のシロップなどに使われています。

コーンシロップとも呼ばれ、原料はとうもろこしで一見自然な甘味料と思われがちですが、その原料のとうもろこしの大半が遺伝子組み換えでつくられています。これは非常に厄介で、体に良いとはいいがたいのです。

妊活中や妊娠中でなくとも、遺伝子組み換え食品は避けたほうが良いと言えます。

まとめ

妊活中に白砂糖が良くない理由について紹介しました。

砂糖が良くないからといって、むやみに避けるのではなくその種類と正しい使い方を知って、うまく食生活に取り入れていきましょう。

妊活中に最適な旬の食材を使った和食中心の食事は、出汁や醤油、なんといっても砂糖が必要不可欠です。

上述した黒砂糖やてんさい糖、毎日の料理に使うなら、使いやすいきび砂糖もおすすめです。

白砂糖よりは体に良さそうだからと、三温糖を使われている方もいらっしゃるかと思います。三温糖は風味が良いので煮物など和食に使うには最適な砂糖なのですが、残念ながら精製された白砂糖をさらに煮詰めて作られているので、成分としては白砂糖とほぼ同じと思っていいでしょう。ミネラルやビタミンなどもほとんど含まれていません。

スーパーなどで売られている比較的安価なハチミツは、純粋なハチミツではなく、中に水飴や砂糖を混ぜてかさまししているものもあります。ラベルに記載されている原材料をよく確認してから購入しましょう。

また、ハチミツは温度によりその甘さが変化するので、料理には不向きです。パンやホットケーキのシロップとして、製菓などに向いています。

白砂糖や異性化糖は、お菓子や嗜好品、加工食品に至るまでじつにさまざまな食品に使用されています。そのすべてを避けることはむずかしいかもしれませんが、まずは”摂りすぎないこと”を意識してみてはいかがでしょうか。

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