運動しないとますます不妊に?冷え症や生理不順のリスクも

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妊活と運動。なかなか妊娠できない原因の一つに、”運動不足であること”があてはまると感じている方は少なくないでしょう。体を動かさない人は運動する人に比べて妊娠しずらい?今回は妊活と運動の関係性について解説します。

運動しないとどうなるの?

自動車の普及、家電製品の高性能化によって現代人は体を動かす機会が減っています。運動不足は呼吸や循環器系、からだの各種生理機能を低下させます。さらに、普段から運動をする習慣が少ない方は、運動をする人に比べ、冷え性や生理不順などのリスクが高くなります。

運動不足による各種身体の変化を下の表にまとめてみました。

身体の部位 運動不足による変化
①心臓 心拍数の増加

心拍出量の減少

心室容量の減少

② 筋肉 筋肉の萎縮

筋力低下

③ 骨 骨粗鬆症

骨内のCa・Mg不足

④呼吸・循環器系 最大酸素摂取量の減少

循環血液量の減少

ホルモンバランスの乱れ

⑤ 代謝 耐糖能の低下

HDLコレステロールの減少

LDLコレステロールの増加

⑥ 全身 体力の低下

免疫機能の低下

筋力低下から骨盤がゆがむ

運動不足によって全身の筋肉、また、腰周りの筋力が低下すると、骨盤や股関節のゆがみが生じやすくなります。骨盤のゆがみは、卵巣や子宮への血液循環を妨げるため、冷えや月経不順、月経痛に繋がる可能性があります。

冷えを引き起こす

HDLコレステロールやLDLコレステロールというと、聞きなれない方も多いかと思いますが、健康診断や各種血液検査で、脂質異常症などを診断する際に検査される項目です。HDLとLDL、総コレステロールの数値が基準値よりも高くないか、低すぎないかを見たりします。

LDL(低密度リポタンパク質、悪玉コレステロールとも言う)は主にコレステロールを抹消組織に運ぶ役割があります。一方、HDL(高密度リポタンパク質、善玉コレステロールとも言う)は抹消組織で不要となったコレステロールを肝臓へ運ぶはたらきがあります。

運動不足によってHDLが減少、LDLが増加すると体内の血液循環が悪くなるため、血行不良から冷え症を引き起こすことも。また、心筋梗塞や動脈硬化を引き起こすリスクも高まります。

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血液循環量の減少

長い期間運動不足の状態が続くと、全身の血液循環量が低下し、低血圧になりやすく血行不良の原因にもなります。

免疫力の低下

運動をすると身体の各器官が刺激され、体の機能が高まります。反対に、身体を動かさないでいると、風邪などに対する抵抗力が下がり細菌やウイルスに感染しやすくなります

妊活中、妊娠中は安易に薬を服用できませんので、日頃から体の調子を整えるという意味でも、運動は大切と言えるでしょう。

また、冷えや月経不順は不妊の原因にもなりますので、妊娠しやすい体づくりのために運動することは非常に利にかなっています。

どのような運動をすればよい?

妊活における運動は、ただやみくもに行えば良いというものではありません。適切に行わないとかえって健康を害する可能性もあります。

いつでも、どこでも、マイペースに、楽しく、安全に、長続きするものがいいですね。尚且つ、お金もかからないで、一人でできる有酸素運動だとベストです。

以下のような運動を参考にしてみてください。

1.ウォーキング

いつでもどこでも、手軽に行える運動の代表といえばウォーキングです。全く運動をしない人は1日10分から、自分の体力に合った範囲ではじめてみましょう。正しいウォーキングのコツをご紹介します。

①目はやや遠くを見る

②あごを引き、胸を張り背筋を伸ばす

③腹部を引き締める

④膝をのばして脚はしっかり前に出す

⑤かかとから着地する

⑥歩幅はいつもより広めの70~75cmくらい

⑦つま先で地面を蹴り、歩調はリズミカルに

通勤途中や買い物の行き帰りなどに、いつもより大股を意識してテンポよく歩いてみるだけで、血行が促進され自律神経も安定します。自律神経が整うとホルモンバランスも正常に整いますので、生理周期が安定したり、排卵日を特定しやすくなります。

2.ストレッチ

体が硬く、普段運動をする習慣がない、筋肉が緊張しているタイプの方におすすめなのがストレッチです。反動をつけずにゆっくりと行うストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、全身の血行を促します。

以下にストレッチのコツをご紹介します。

①伸ばし方は初めは弱く、徐々に強さを増していく

②「気持ち良い」と感じる程度に伸ばし、30秒ほど保持する

③伸ばそうとする筋肉を意識して伸ばす

④息を止めず、自然な呼吸をする

また、以下のようなストレッチを参考にしてみてください。

柔軟性を良くし血行促進

両足の裏と裏をぴったりと付けて、胸を張りゆっくりと上体を倒していきます。股関節周りのストレッチは、卵巣や子宮、下腹部の血行を良くしてくれます。

骨盤のゆがみを矯正

仰向けになった状態で両膝を立て、膝と膝をくっつけたまま左右に倒します。この時手は床につけたまま、顔は倒した膝と反対側に向けます。このストレッチで骨盤のゆがみを治します。呼吸を止めず、ゆっくりと行いましょう。

ストレッチも運動と同様に、継続して行わなければ効果は低くなってしまいます。無理のない範囲で、お風呂上がりなど体が温まった時に行うとさらに効果的です。

運動後の疲労回復

体を動かす運動をした後は、筋肉に肉体疲労が現れます。疲労回復の中心は休養と栄養です。また、入浴やマッサージなども疲労回復に効果的です。

エネルギーの補給

筋肉のグリコーゲンが減少すると、疲労が貯まります。これを回復するためには高糖質の食事が必要です。1時間以上の運動(ウォーキングやジョギングなどの全身運動)を行った際には、脂質・タンパク質だけの食事では疲労回復が期待できないので、白米や麺類(うどん、パスタ、そうめん)、餅、パンなどの複数の糖質を組み合わせた食事が必要になります。

睡眠

最もよい休養は寝ることです。運動による疲労を回復するには、7~8時間の睡眠が必要になります。夏は疲労しやすいので、夜の睡眠だけでなく、仕事の昼休みなどに10分程度の昼寝をするだけで疲れが取れやすくなります。

入浴

入浴やマッサージは肉体疲労だけでなく、精神疲労の回復に効果があります。40度前後の温浴は、全身の血行を促進させ、疲労物質を除去してくれます。

まとめ

普段から運動をしない人は、運動をする人に比べ、冷え症や生理不順になるリスクが高くなります。運動をすると全身の血液循環が良くなりますのでホルモンバランスが整い、生理周期が安定することも期待できます。特に、呼吸循環器系の機能改善には、ウォーキングやジョギングなどの全身運動が効果的です。

ところで、妊活は誰かと競いあったりするものではありませんが、時に友人や身近な人の妊娠報告に一喜一憂してしまったり、生理がきてがっかりしたり。時には心が折れそうになることもあるかもしれません。

そんな時こそ、騙されたと思って外に出てみてください。10分~のウォーキング、ジョギングは心地よい疲労をもたらしてくれ、それと同時に心をスッと軽くしてくれます。

運動の後はしっかり食べて眠ること。モヤモヤとした気持ちを抱えてストレスを溜めこんでおくことは、自律神経やホルモンの分泌にも影響します。運動にはストレス発散の効果もあるのです。

まずは無理のない範囲で、ご自身の「心地よい」と感じるペースで運動をはじめてみてはいかかでしょうか。

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