妊活中にとりたい栄養素「鉄分」を多く含む食べ物

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ミネラルの一種である鉄分は、体内で酸素を運んだり、子宮内膜を厚くする材料でもあります。受精卵が子宮に着床する(妊娠)には、子宮内膜が十分な厚さを持ちふかふかであることが絶対条件になるのです。ここでは、子宮内膜を作る材料でもある「鉄分」を多く含む食べ物についてまとめます。

ヘム鉄と非ヘム鉄

食べ物に含まれる鉄はヘム鉄非ヘム鉄に分けられます。ヘム鉄はヘムの構成成分となっている鉄で、肉や魚などの動物性たんぱく質に多く含まれています。一方、非ヘム鉄は野菜や穀類に含まれている無機鉄のことをいいます。また、非ヘム鉄よりもヘム鉄のほうが体への吸収率がよいとされています。

ヘム鉄を多く含む食べ物
食べ物 1食あたりの可食量 鉄含有量(mg)
目安量
豚レバー 40 2切れ 5.2
鶏レバー 40 1個 3.2
あさり 50 味噌汁1杯 1.9
かつお 80 さしみ5切れ 1.5

 

非ヘム鉄を多く含む食べ物
食べ物 1食あたりの可食量 鉄含有量(mg)
目安量
がんもどき 80 1個 2.9
生揚げ 100 1/2個 2.6
ひじき 4 煮物1食分 2.2
小松菜 70 おひたし1食分 2.0

 

体内貯蔵鉄と鉄の蓄積

食べ物からとった鉄分は、体内で酸素を運搬したり酸化還元酵素に関わる鉄と、肝臓や脾臓に蓄積される貯蔵鉄に分かれます。

普段から鉄分を多くとっている人は、当然体内の貯蔵鉄も多くなります。

また、おもしろいことに貯蔵鉄が少ない人のほうが鉄の吸収率が高くなることがわかっているのです。乾いたスポンジが水をたくさん吸収するように、体が鉄不足状態なら食べた分をしっかりと吸収してくれます。

体内貯蔵鉄が200mgの人と1000mgの人が同じ量のヘム鉄を摂取した場合、体内鉄が少ない人が28%吸収されるのに対し体内鉄の多い人は15%しか吸収されない。

イラスト基礎栄養学 田村明 /東京教学社発行 より抜粋

言い換えれば、必要以上の鉄分は体内に吸収されないようになっているので、鉄分の過剰症は起こりにくいと言えます。

鉄欠乏性貧血

女性が鉄分不足になりやすいのは、周期的に生理があるから。体内の鉄のほとんどは赤血球の中のヘモグロビンに存在しています。ヘモグロビンとは体のさまざまな組織に酸素を運ぶたんぱく質で、各細胞が呼吸し正常に働くために必要なものです。

食べ物で摂取する鉄分が不足すると、前述した貯蔵鉄が真っ先に減少します。つぎに血清鉄という血清中に含まれる鉄分が減少し、さらに鉄分不足が続くとヘモグロビンが減少して鉄欠乏性貧血がおこります

ヘモグロビンは骨髄で作られ、120日ほどで新しいものと入れ替わっています。献血後に次の献血ができる日までの日程が決まっているのはそのためですね。献血で一時的に不足した鉄分(ヘモグロビン)を合成するのにおおよそ3ヶ月の期間が必要なのです。ヘモグロビンの合成には絶えず鉄の補給が欠かせません

よくある貧血と軽く見るのではなく、貧血が原因となり血行不良からくる冷え症を併発することもありますので、妊活中は意識して鉄分をとりましょう。また妊娠中、授乳中の女性も血液の需要が高まり、慢性的に鉄不足になりやすい状態です。

鉄の吸収を良くするビタミンC

鉄の体内への吸収率はヘム鉄か非ヘム鉄かで変わってきます。一般的にヘム鉄で15~30%非ヘム鉄だと3~6%の吸収率といわれています。吸収率の低い非ヘム鉄でも、ビタミンCと一緒にとることで3価鉄が2価鉄に還元されて、吸収率がアップします

その他にも、グレープフルーツやパイナップル、レモンなどに含まれるクエン酸、かぼちゃやにんじんなどに含まれるβーカロテン肉類なども鉄の吸収を促してくれるので、一緒にとるといいですね。

反対に、お茶やコーヒーに含まれるタンニンや、ほうれん草などの葉物野菜に含まれるシュウ酸鉄の吸収を阻害する物質ですので、食事の際は気をつけてみてはいかがでしょうか。

【過去記事】妊娠しやすい体づくりに必要な栄養5選

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