妊娠中のビタミンA過剰摂取は胎児の奇形を招く?

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妊娠中のビタミンAは胎児の奇形を招く?

妊娠中の女性は、ビタミンAのとり過ぎに注意しましょう。

脂溶性のビタミンであるビタミンAは、体内で皮膚や粘膜を正常に保つ働きをしています。また、目で見た物の色や明暗を識別する網膜色素の主な成分でもあります。

ここでは、妊娠中の女性がどの程度のビタミンAを摂れば良いのか、詳しく書いています。

ビタミンAの過剰症は?

ビタミンAの中でも、レバーなどの動物性食品に含まれるビタミンAを妊婦が大量に摂取することで、胎児の先天性異常(奇形や心臓疾患)の症例が報告されています。

通常の食事で過剰にとり過ぎることは起こりにくいのですが、サプリメントの場合とり過ぎる危険がありますので、注意が必要です。

ビタミンAのとり過ぎは妊娠中の女性だけでなく、それ以外の人も、吐き気や倦怠感脂肪肝といった過剰症の原因になります。

ビタミンAの欠乏症は?

過剰にとることでさまざまな健康被害が起こるビタミンA。不足するとどうなるのでしょうか。

ビタミンAが不足すると、暗い場所で目が見えにくくなる夜盲症が起こることがあります。

また、皮膚や喉、呼吸器などの粘膜が弱りやすくなるため、感染症(風邪など)にかかりやすくなります。

 

ビタミンAの1日の摂取量の目安は?

とり過ぎに注意しながら、不足もしたくない。どのくらいの量をとれば適量なのでしょうか。

以下の表は、厚生労働省が ”健康の保持・増進を図る上で、摂取することが望ましいビタミンAの量” を基準値として出しているものです。

ビタミンAの食事摂取基準(μgRAE/日)

年齢(歳) 女性 男性
必要量 推奨量 耐容上限量 必要量 推奨量 耐容上限量
18~29 450 650 2700 600 850 2700
30~49 500 700 2700 650 900 2700
50~69 500 700 2700 600 850 2700
妊婦(後期) +60 +80  ー
授乳婦 +300 +450  ー

出典:厚生労働省による「日本人の食事摂取基準2015年版」(使用期間は平成27年度~31年度)

 

この数値の根拠について厚生労働省は以下のように記載しています。

肝臓内ビタミンA最小貯蔵量を維持するために必要なビタミンA摂取量を推定平均必要量算出の生理学的根拠としている。妊婦については、胎児へのビタミンAの移行蓄積量を付加する必要があるとの考えに基づき付加量を設定した。授乳婦については、母乳中に分泌される量を付加した。耐容上限量については、成人では、肝臓へのビタミンAの過剰蓄積による肝臓障害を指標とした。

つまり、

肝臓の中にストックできるビタミンAは、万が一不足した際にストック分から消費されます。ストック分を維持するために、30~49歳の女性であれば、1日に500μgRAEのビタミンAが必要ということ。

妊婦さんは、へその緒を通じて赤ちゃんに日々栄養を送っています。赤ちゃんに送られる分を考慮し、妊娠後期に+60μgRAE補足する必要があります。また、授乳中の女性も赤ちゃんに栄養ある母乳を与えるため、+300μgRAE付加する必要があります。

「耐容上限量」とは、これ以上とると肝臓への過剰蓄積により肝機能障害を引き起こす可能性がある、という上限量です。

 

緑黄色野菜でビタミンAをとる

緑黄色野菜

サプリメントや、動物性食品でのビタミンAのとり過ぎが気になる方は、緑黄色野菜でとることもおすすめです。

にんじんやかぼちゃ、ほうれん草など緑黄色野菜の中に含まれる、βーカロテンは小腸で吸収されるときにビタミンAに変換されます。

体内に必要な分だけビタミンAに変わるので、過剰症は起こりにくいと言えます。

また、βーカロテンは油と一緒にとると吸収率が良くなります。

まとめ

妊娠中の女性が動物性食品に含まれるビタミンAを大量にとると、胎児に先天性異常(奇形や心臓の障害など)が起こる可能性があります。

しかし、妊娠中(特に後期)と授乳中は、赤ちゃんへ栄養を十分に送る必要があるので、必要量よりも意識して多めにとることを心がけましょう。

ビタミンAの過剰症が心配という方は緑黄色野菜でとることで、体内で必要な分だけビタミンAを生成してくれます。

ビタミンAは肝臓に蓄積されます。さまざまな理由で野菜を取ることが難しい方は、とり過ぎないよう1日の上限量をきちんと確認し、サプリメントなども上手に取り入れていきましょう。

 

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